気管支放線菌症が成因と考えられる気管支結石により閉塞性肺炎を呈した1例

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  • A Case of Obstruction Pneumonia with Broncholithiasis from Endobronchial Actinomycosis

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抄録

<p>背景.気管支結石は稀な疾患だが,気管支内に石灰化病変を認めた際は念頭におく必要がある.症例.76歳男性.くも膜下出血後に気管切開,胃瘻造設され,さらに両下肢閉塞性動脈硬化症による両下肢切断でperformance status 4であった.膿胸の疑いにて当院に紹介となった.胸水培養検査は陰性,CTで右下葉支入口部に異物と思われる石灰化所見を認めた.異物による閉塞性肺炎を原因とした胸水貯留と診断し,気管支鏡による異物除去の方針となった.右下葉支入口部に内腔を閉塞する黄白色の石灰化病変を認め,鉗子で摘出した.病理所見にて糸状の菌体による石灰化を伴った菌塊を認めた.Gram染色,Grocott染色に陽性であり,抗酸菌染色に陰性であることから放線菌症が疑われた.右下葉の含気は回復し,右肺炎の再燃は認めず症状改善したため,紹介元に転院となった.結論.易感染状態で中枢の石灰化病巣による閉塞性肺炎を認める際は,放線菌などの口腔内常在菌による感染も念頭に精査を行うことが重要と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 43 (5), 525-529, 2021-09-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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