睡眠時無呼吸症候群を併発するパーキンソン病患者の脳波のサンプルエントロピー解析

DOI
  • 石橋 拓巳
    関西学院大学大学院 理工学研究科
  • 猪山 昭徳
    国立病院機構大阪刀根山医療センター 脳神経内科
  • 佐古田 三郎
    国立病院機構大阪刀根山医療センター 脳神経内科 医療法人篤友会 オーガニッククリニック
  • 吉野 公三
    関西学院大学大学院 理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Sample entropy analysis in EEG of Parkinson's disease with sleep apnea syndrome

抄録

<p>パーキンソン病(PD)は中脳黒質のドーパミン神経細胞の脱落による進行性神経疾患である.PD患者の27-60%は睡眠中に無呼吸・低呼吸状態となる睡眠時無呼吸症候群(SAS)を併発する.PD患者では早期に交感神経の変性が見られるのに対して,SAS患者では交感神経の亢進が起き,両患者群の睡眠呼吸障害の病態が異なる可能性がある.本研究ではPDのあるSAS群とPDのないSAS群間で睡眠脳波の不規則性に違いがあるかについて明らかにすることを目的とする.国立病院機構大阪刀根山医療センターの睡眠ポリグラフ検査で計測されたSASを併発するPD患者群とSASのある非PD患者群の脳波データとPhysioNetのThe Sleep-EDF databaseからダウンロードした健常者の脳波データを解析した.睡眠開始から3時間中に初めて同じ睡眠段階が連続して180秒継続された部分を解析区間としてサンプルエントロピー(SpEn)を算出した.NREM1において,SASを併発するPD患者群とSASのある非PD患者群の計測部位PzとOz周辺の脳波のSpEnがそれぞれ健常者群よりも統計的有意に低かった.計測部位Fz-Czにおいても同様の傾向が見られた.NREM3において,SASを併発するPD患者群とSASのある非PD患者群の計測部位FzとCz周辺の脳波のSpEnがそれぞれ健常者群よりも統計的有意に高かった.以上の結果より,SASがあるとNREM1において睡眠脳波の不規則性が低く,NREM3においては反対に高くなること,これにPDは影響を与えないことが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 496-496, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008290064457984
  • NII論文ID
    130008105357
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.496
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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