磁気力制御による新生血管閉塞療法に関する基礎的研究

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タイトル別名
  • Fundamental Study on Occlusion Therapy of Newborn Vessels by Magnetic Force Control

抄録

<p>本研究では,副作用や侵襲性の低いがん治療法として,磁気力制御による動脈塞栓術を応用した新生血管閉塞療法を提案する.これは,がん組織近傍にカテーテルによって血管内に強磁性粒子を投与し,体外からの磁場制御によって新生血管内に粒子を集積・凝集させ,血管を閉塞させる治療法である.新生血管を閉塞することで,がんの成長を抑制することができると考えられる.本研究では実用化に向けて,模擬血管で磁場による血管閉塞が起こるかどうかの確認を行った.また,血中の電解質が粒子凝集による血管閉塞に与える影響について検証した.模擬血管群として,粒径0.007 mmの流路を7854本持つマイクロ流路チップを用いた.血液と粘性率が同じになるよう調整したPVA(ポリビニルアルコール)溶液を分散媒として,ポリアクリル酸修飾マグネタイト粒子を250 ppmの濃度で分散させた.血中の電解質を含む分散媒と含まない分散媒で比較を行った。マイクロ流路チップに磁場を印加した状態で分散液を30分間流入させ,光学顕微鏡で流路閉塞の様子を観察し,閉塞した流路数から閉塞率を評価した. 流路閉塞の結果とマイクロ流路チップ内の磁場分布測定の結果から,約310 mT以上の磁場中で100 %の流路閉塞率が確認された.さらに,流路閉塞に対して血中の電解質が与える影響はほとんど見られなかった.これらのことから,磁場強度の制御によって選択的に血管を閉塞できる可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 334-334, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008290064694144
  • NII論文ID
    130008105254
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.334
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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