大腸全摘術後の小腸全域に潰瘍性大腸炎類似病変を認め,コントロール不能の持続出血をきたした潰瘍性大腸炎の1例

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  • SEVERE ENTERITIS WITH UNCONTROLLABLE MASSIVE BLEEDING AFTER TOTAL COLECTOMY FOR ULCERATIVE COLITIS: A CASE REPORT

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抄録

<p>症例は66歳男性.全大腸炎型の潰瘍性大腸炎と診断され,確定診断より9カ月後に大腸全摘術+回腸人工肛門造設術を施行された.術後2日目に人工肛門からの出血を認め,十二指腸と回腸の広範囲に自然出血を伴う潰瘍性大腸炎類似の粗ぞう粘膜を認めた.内科治療に反応せず出血性ショックにより永眠された.病理解剖にて小腸全域にびらん,潰瘍の多発と,病理組織では潰瘍性大腸炎類似の粘膜所見を認めた.腸管感染症やクローン病,腸管虚血を示唆する所見を認めなかった.大腸全摘術後に小腸出血をきたした際には大量出血に移行し致死的な経過をたどる可能性があるため,速やかな内視鏡検査と検査結果に応じた迅速な治療を行うべきと考えられた.</p>

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