P-9-01 寝具による寝床内温度の違い
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抄録
はじめに 当センターの利用者は、夜間ベッドか床にマットを敷き布団で睡眠をとっている。夏は冷房による冷気によって冷えやすく、冬は外気からの冷えが寝床内に影響があるのではないかと考えた。寝具によって、寝床内の保温効果が高められるのかを検証した。 対象と方法 対象者はA氏40代女性 布団で睡眠をとっている。B氏50代女性 以前は布団で睡眠をとっていたが、体温35℃台が続いたため2018年ベッドに変更になった。両者共に10日間現状の寝床内温度と体温を測定し、その後10日間は「あったか節電マット」(以下、節電マット)をシーツ下に敷き測定した。また、B氏は追加で10日間節電マット+電気毛布で入床直前まで保温し、保温が保たれるか検証した。データ収集は0時半〜1時に行った。 結果・考察 A氏の現状寝床内温度の平均は26.59℃±3.04、節電マットを使用中は、28.06℃±1.58で+1.47℃上昇があった。B氏の現状平均は25.39℃±2.08、そのうち、体温35℃台が5回あった。節電マット使用中は、25.88℃±1.18で+0.49℃の上昇にとどまり、体温35℃台は2回あった。また、電気毛布で保温した後は26.10℃±1.58で、現状時より+0.71℃であったが、体温35℃台はなかった。A氏は検証期間中、体温35℃台が2回あったがそれ以外は36℃以上であった。 節電マットの内部は、アルミシートで体温を反射して中綿で保温する構造であるため、A氏は自らの体温で保温効果が得られたと考えられる。B氏に関しては、節電マットを使用しても自らの体温だけでは保温効果が得られていないと考えられる。しかし、電気毛布で保温した後ではやや保温の効果があった。 利用者によって同じ節電マットを使用しても同様な保温効果が見られず、電気毛布の機械的な熱が必要な方もいる。介助者は季節や気温に合わせて寝具を用意すると共に、利用者の個別性、日々の体調変化に合わせて寝具を工夫することで、さらに保温効果が期待できる。 申告すべきCOIはない。
収録刊行物
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- 日本重症心身障害学会誌
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日本重症心身障害学会誌 44 (2), 453-453, 2019
日本重症心身障害学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390008445626496896
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- NII論文ID
- 130008108483
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- ISSN
- 24337307
- 13431439
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可