繰り返す膵炎で発症した腸回転異常合併膵・胆管合流異常の1例

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タイトル別名
  • A Case of Pancreaticobiliary Maljunction with Repeated Pancreatitis Accompanied by Intestinal Malrotation

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抄録

<p>症例は22歳の男性で,新生児期に腸回転異常,先天性十二指腸閉鎖でダイアモンド吻合術を施行された.20歳時より繰り返す膵炎を発症し当院を受診した.精査にて屈曲・蛇行し走行する拡張胆管に十二指腸壁外で合流する膵管を認め,膵・胆管合流異常(以下,合流異常と略記)と診断した.合流部直上の拡張胆管に結石を認め,内視鏡的結石除去後も膵炎を発症した.膵頭部における拡張胆管と膵管との合流形態が膵液の流出を障害し,膵炎発症に深く関与していると考えられた.肝外胆管切除術で膵液の流出障害を解除することは困難と考え,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.先天性十二指腸閉鎖では,輪状膵や膵管癒合不全,合流異常などを伴い,術後長期を経て膵胆道系合併症の原因となることが指摘されている.合流異常では肝外胆管切除が標準治療であるが,遺残なく膵内胆管を切除することが困難な症例では膵頭十二指腸切除も選択肢の一つと考えられる.</p>

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