<i>In situ</i>クリックケミストリーと大村天然物を利用した創薬研究
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抄録
米国スクリプス研究所のK. B. Sharpless教授は, 触媒的酸化反応(エポキシ化, ジヒドロキシル化)に関する研究の功績で2001年にノーベル化学賞を受賞された.奇しくも同年, 同教授によって触媒的酸化反応とは全く異なるコンセプトであるクリックケミストリーが提唱された.1) 「クリック」 = 「カチッという音」から想像できるように, 「クリックケミストリー」とはシートベルトを繋げるがごとく異なる2分子を特定の官能基間で連結させる化学であり, それにより新たな機能性分子の広がりを創製することが基本的な考え方である. また, 本化学に用いる連結反応は自然界で起こる連結反応(ペプチド, 核酸, 多糖形成)と同様にヘテロ原子を介するという特徴がある. 本化学で利用されるある種の反応は官能基選択性が非常に高く, さらに水や有機溶媒中などで実施可能であることから, 生体内や生体成分の混合物中での選択的連結反応を可能とするため「生体直交型」反応として注目される. 本稿では, クリックケミストリーとその応用であるin situクリックケミストリーについて, その概要と大村記念研究所における取り組みについて解説する.
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 57 (11), 1014-1018, 2021
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390008445630040832
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- NII論文ID
- 130008110075
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可