職場における女性健康管理支援体制モデルの構築と評価

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タイトル別名
  • Development and Evaluation of Women’s Health Support System Model in Workplace

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抄録

目的:本研究は、すべての女性社員が安全、かつ、快適に働くことのできる職場環境づくりを目指して、女性健康管理支援体制(以下体制)を構築し、その評価を行った。 方法:産業保健師は、本研究に取り組むにあたり、他社の実情、地域保健師との関わり、女性社員から、十分な聞き取り調査を行って現状を把握し、A社における問題点と課題を明確にした。社外の産婦人科医を専門アドバイザーとして招いて、厚生労働省から出された「生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会報告書」に基づき、「女性社員が女性らしさを生かして仕事ができる働きやすい職場環境づくりを目指して」、健康支援面と就業規則の見直し・改正へという2つの視点で研究に取り組んだ。 結果:本体制を構築したことにより、社内においては、人事部、セクハラ対策委員、産業医や支援ネットワーク等関係機関と協働できるようになった。社外においては、地域保健師や産科医との連携が取れるようになった。就業規則の見直しでは、母性管理や育児支援、介護支援の改正ができ、本体制が有効に機能した。この中でも特に、緊急かつ重要度の高かった母性管理については、4名の妊婦(平均年齢31.5±3.0歳)は、妊娠中の経過は良好で、正常分娩にて出産した。また、50歳代の女性の離職者が無くなった。 考察:本研究に取り組んだことにより、健康支援面と就業規則面で充実が図れたと考えられる。今後も、すべての女性社員が安全でかつ、安心して働き続けることのできる快適な職場環境を総合的な視点で創り上げることができたと考えられる。

収録刊行物

  • 教育医学

    教育医学 52 (4), 245-258, 2007

    日本教育医学会

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