電子メールを用いた禁煙後の体重コントロール支援プログラムの開発

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タイトル別名
  • Development of the weight loss support program using the e-mail to the non-smoking person
  • —Administration of questionnaires to nonsmokers and group interviews —
  • -禁煙者へのアンケートとインタビューより-

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抄録

背景:近年、公共の場での受動喫煙防止や学校、公共施設の敷地内禁煙などの広がり、禁煙外来指導の保険診療適用など、禁煙に挑戦するための社会環境は整いつつあるといえる。  禁煙にいったん成功してもそのあと体重増加により再喫煙する人は多い。しかし、禁煙後の体重コントロール支援の方法は確立されているとは言えない。本調査では禁煙後の体重コントロールの為のプログラム開発を目的として、禁煙後の体重増加について禁煙継続者へのグループ・インタビューとアンケート調査を試みた。さらに調査に基づき、写真付メールを利用した食事相談を含む禁煙後の体重コントロール支援プログラム開発を試みたので報告する。<br> 対象:インターネット禁煙マラソンに参加し、調査時点まで禁煙が継続している男性11名、女性7名。<br> 方法:<br> 1.アンケート調査:禁煙マラソンのイベント参加者18名に調査目的や個人情報保護や拒否の機会を記載した説明文を添付したアンケート用紙を配布し、即日回収した。アンケートは無記名とし、質問表の内容は、性別、身長、喫煙時体重、現在体重、禁煙年数、減量のために必要と思われる情報についてであった。<br> 2.インタビュー調査:アンケート調査を実施した18名に対して、2~3人ごとのグループ・インタビューを実施した。各グループに対し、インタビュアー1人が対面して質問を行った。質問内容は、禁煙後の体調変化、自分の現在の体重の捉え方、食事や運動による減量の実施有無、減量についての不明点の有無とし、特に感覚的な変化や考え方の変化など、詳しく聞き取りをした。対象者へは研究の目的を書面で説明し、同意書を得た上で実施した。なお本研究は奈良女子大学疫学倫理審査委員会の承認を得て行われた。<br> 結果:禁煙マラソンの「イベント参加者18名全員が調査に協力した。 禁煙後から現在まで体重の平均変化量は男性2.4kg(SD4.1)、女性3.3kg(SD4.8)、禁煙期間は平均で男性8年4か月、女性6年5か月であった。<br>  減量に必要な情報については質問票により18項目の運動・食事に関する項目についての必要度を5段階にわけ、得点付した。男女共「自分に必要な食事量について」が最も得点が高かった。一方、「運動サークル紹介」「アルコールのカロリー」の情報が得点数が低かった。<br> プログラム構築:本研究では栄養士からの個別アドバイス提供、さらに減量支援情報を電子メールにより提供する。単に情報提供のみではなく個々人ごとに対応した食事コントロールの支援を目的とした個別減量支援プログラムを開発した。<br> 結論:禁煙継続者のアンケートとインタビューから、電子メールでの個別食事相談を取り入れ、禁煙後の体重コントロールの支援プログラムを開発した。

収録刊行物

  • 禁煙科学

    禁煙科学 vol.2 (04), 15-21, 2008

    日本禁煙科学会

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