尺骨遠位端骨折後に前腕回旋障害を来した3例

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抄録

<p>【対象と方法】症例は3例(男性2例,女性1例)。手術時年齢は17,18,61歳。診断は尺骨茎状突起偽関節2例,尺骨頭骨折変形治癒1例(橈骨遠位端骨折合併1例)であった.回旋障害の機序,尺骨茎状突起骨片の転位量,手術内容,可動域,疼痛を調査した.【結果】尺骨茎状突起は基部骨折2例,基部から骨端部骨折1例で,全例に尺骨頭の背側亜脱臼を認めた.また,1例では尺骨頭関節面の変形も合併していた.転位量は2.5,2.7,5.0mmであった.手術は,全例でTFCC深層の整復を行った.尺骨頭関節面の変形を合併した1例では,尺骨頭関節面の矯正を追加した.可動域は,術前主に回外制限を認めたが,術後回内外ともに改善した.疼痛は全例で改善した.【考察】TFCC深層が付着した骨片の転位癒合による前腕回旋軸の変位のため回旋障害をきたしたと考えた.1例は尺骨頭関節面の変形も一因となった.尺骨茎状突起骨片の転位量とDRUJの不安定性を3D-CTのaxial像で評価した.</p>

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