イオン液体|水界面における界面活性アニオンの吸着特性: イオン液体カチオン依存性

  • 西 直哉
    京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻
  • 南 栄次
    京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻
  • 作花 哲夫
    京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Adsorption Properties of Alkylsulfate Ions at the Ionic Liquid/Water Interfaces: Ionic Liquid Cation Dependence
  • イオン エキタイ|ミズ カイメン ニ オケル カイメン カッセイ アニオン ノ キュウチャク トクセイ : イオン エキタイ カチオン イソンセイ

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説明

<p>イオン液体(IL)と水(W)との間の電気化学液液界面におけるドデシル硫酸イオン及びデシル硫酸イオンの吸着特性を,電気毛管性(界面張力の相間電位差依存性)測定により評価した.用いた3種類のILは,共通のアニオンであるビス(ノナフルオロブタンスルホニル)アミド(C4C4N)と,3種類の異なるカチオンからなり,カチオンは,N-オクタデシルイソキノリニウム(C18Iq),トリオクチルメチルアンモニウム(TOMA),トリヘキシルテトラデシルホスホニウム(THTDP)である.3種類のILのいずれにおいても,IL|W界面のIL側が正に帯電している電位において,従来の油|水界面に比べてアルキル硫酸イオンの吸着活性が高まった.これは,界面活性アニオンがILカチオンとの静電相互作用によってIL|W界面において安定化することに起因すると考えられる.[C18Iq][C4C4N]|W界面での安定化効果は3種類のILのなかで最も高かった.これは,C18Iqの正電荷を帯びた帯電部位が他の2種のカチオンよりも比較的露出していることによる界面活性アニオンの安定化を示唆している.一方,TOMAとTHTDPは帯電部位が(後者ではとくに顕著に)アルキル鎖に埋もれており,界面活性アニオンとの相互作用はC18Iqよりも弱くなっているものの,依然,油|水界面の場合より吸着活性は高い.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 70 (9), 521-527, 2021-09-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (42)*注記

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