高齢化したコナラ林の高伐り後3年間の萌芽枝の発生と成長

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タイトル別名
  • Sprouting and growth of shoots in an aged <i>Quercus serrata</i> forest during 3 years after truncation

抄録

<p> 高樹齢化したコナラ林の萌芽更新において伐採後の萌芽枝発生を促す方法として,地面から高い位置で伐採する高伐り(台伐り)が提案されている.本研究では,東京都の都立浅間山公園において,約55年生のコナラ林が高伐りによって伐採された後,3年間の萌芽枝の発生と成長を追跡調査した.皆伐された区域では,96本のコナラのうち伐採当年に萌芽した株は44本で,3年目まで生存したのは26本であった.伐採後3年目までの萌芽枝の生残率は,直径30-40cm,伐採高100-120cmの株で高かった.また,株ごとの萌芽枝の体積を円錐で近似した総量に対して,伐採高には正の影響が,切株直径には負の影響が認められた.2年目から3年目にかけての個別の萌芽枝の生残率は,地表から60-80cmの高さで発生したものが最も高く,80cm以上の高さから発生したものでは台風による折損などで枯死する割合が高かった.これらの結果から,55年生以上のコナラ林では,直径40cm程度までなら高さ100cm以上での伐採で萌芽枝を成長させることが可能であると考えられたが,既存の報告と比べて高伐りが更新に大きな効果をもつとは認められなかった.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008613604141824
  • NII論文ID
    130008117717
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_354
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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