カラマツのFT/TFL-like遺伝子の部分塩基配列の決定とその発現特性

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タイトル別名
  • Isolation of a FT/TFL-like cDNA from flower bud in <i>Larix kaempferi</i> and expression analysis in different seasons

抄録

<p>カラマツは成長が早く材強度が優れることなどから寒冷地の主要な造林樹種の一つであり、近年、造林需要が増加している。しかし花芽形成の周期が不規則であり着花促進技術も確立していないため種子の安定供給が困難である。カラマツは短枝に雌雄別の花をつけるが開花を制御する分子機構なども未解明である。本研究では植物の開花を制御するFT/TFL1を含む遺伝子ファミリーに着目して発現解析を行った。試料は8から10月に計3回、カラマツの花芽・葉芽を採取し液体窒素で凍結後、RNAを抽出しcDNAを合成した。既知のFT/TFL1遺伝子に高い相同性を持つ領域のアミノ酸配列に対して縮重プライマーを設計してRT-PCR法により増幅した部分cDNA1種類(LkFTL)の塩基配列を決定した。LkFTLと既知のFT/TFLファミリー遺伝子の配列情報を用いて系統樹を作成した結果、トウヒ属のFT/TFLと最も相同性が高かった。また、特異的プライマーを設計してLkFTLの発現特性をリアルタイムPCR法により調べた結果、9月の花芽で相対発現量が最も高く、同時期の葉芽の約3倍であった。今後、LkFTLの機能解析を進めることでカラマツの開花を制御する技術開発に繋がる知見を得ることが期待される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008613604160000
  • NII論文ID
    130008117824
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_418
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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