伊吹山の異なる標高に生息する土壌線虫群集の形態学的およびDNAメタ解析

DOI
  • 北上 雄大
    三重大学大学院生物資源学研究科
  • 小長谷 啓介
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 松田 陽介
    三重大学大学院生物資源学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Nematode communities along an elevational gradient through morphological and DNA metabarcoding approaches in Mt. Ibuki

抄録

<p>DNAメタ解析により土壌線虫群集の包括的な把握が可能になったが、従来からの形態情報による群集パターンとの連関不明である。本研究はDNAメタ解析と形態学的観察によって決定される線虫群集の相違点の抽出を目的とし、両手法で決定した異なる植生に生息する線虫の群集構造を調べた。滋賀県に位置する伊吹山の異なる植生群落(200m、500m、800mはスギ林、1100mはカエデ林、1350mは頂上付近で草本類)を対象に、リターを除いた表層土壌を採取した。生土30 gから分離された線虫は光学顕微鏡観察により属群に類別した。Ion Torrent PGMを用いて18Sの部分領域を対象に線虫の網羅解析を行った。得られた配列は97%で操作的分類群に分け、PR2データベースを参照し代表配列を属群に類別した。2部ネットワークを用いて両手法で検出された属群の連関を調べた。その結果、DNAメタ解析で51属が、形態学的観察で46属が検出され、27属が両手法で共有された。手法によらずスギ林では微生物食性線虫が優占し、カエデ林では雑食性線虫が、草本植生では植物食性線虫の割合が増加した。以上より、両手法で共有された属数は半分未満だったが、食性群組成は両手法で一致することが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008613604185216
  • NII論文ID
    130008118012
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_610
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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