接着材を用いたクビアカツヤカミキリ羽化成虫に対する防除の可能性

DOI
  • 滝 久智
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域
  • 田村 繁明
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Potential to control emerged adults of <i>Aromia bungii</i> using adhesives

抄録

<p>クビアカツヤカミキリは、国内侵入後バラ科の樹木を加害し、緑化樹や果樹に甚大な被害を生じさせている。本種の幼虫は、成熟すると木部に材入して蛹室と材入孔を形成する。その際に羽化後に利用する脱出予定孔を出口付近の外樹皮に形成するが、幼虫による材入孔と脱出予定孔の形成は、成虫の木質穿孔能力が乏しいためと考えられる。したがって、人為的に脱出予定孔から材入孔を塞ぐことで、本種成虫を材内に閉じ込め、殺虫防除が可能であることが予想される。本研究では、成分や硬度が異なる3種類の接着材と、各接着剤において脱出予定孔を形成した本種3個体ずつの計9個体を用いて、防除の効果を検証した。脱出予定孔から材入孔を塞いだ結果、3種類の接着材それぞれで、3、2、1の個体数で材入孔内部での成虫の死亡を確認し、応じて0、1、2の個体数で成虫の脱出を確認した。以上の結果は、適切な接着剤の成分と方法を選別し、脱出予定孔から材入孔を塞ぐことで、簡易に本種の羽化成虫の拡散を物理的に防止できる可能性があることを示唆している。</p>

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008613604990080
  • NII論文ID
    130008118062
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_581
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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