放射性セシウム吸収の樹種間差ー植栽木等多点調査から

DOI
  • 三浦 覚
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 大前 芳美
    元 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 篠宮 佳樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 大橋 伸太
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 清野 嘉之
    元 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 坂下 渉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 赤間 亮夫
    元 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Differences in radiocesium absorption between tree species --from a multi-point survey of planted trees

抄録

<p>原発事故後に植栽更新された幼木による土壌からのCs-137の吸収特性や樹体内でのCs-137の分布特性を明らかにするため、3〜8年生のスギ、アカマツ、カラマツ、コナラ、クヌギを対象に、各樹種福島県内の15〜55箇所において調査を行った。各調査区で1個体を選び、土壌は個体近傍で0-5cm、5-10cmの2層から500mLの採土円筒で採取し、Cs-137濃度と交換性K濃度及び容積重を測定し蓄積量を算出した。植栽木は伐倒して当年枝葉、樹皮、材に分けてCs-137濃度を測定した。すべての樹種で、土壌の交換性K量が大きくなると当年枝葉の面移行係数が小さくなる傾向が認められた。ただし、両者の関係は樹種により違いがあり、同程度の土壌の交換性Kに対して、カラマツ、コナラ、クヌギの当年枝は面移行係数が高く、スギ、アカマツは低かった。また、当年枝葉と材のCs-137濃度には樹種毎に明瞭な比例関係が認められた。この関係においても、スギの材のCs-137濃度は当年枝葉の濃度と1:1に近い値を示し、他の樹種とは傾向が異なっていた。スギのCs-137吸収や樹体内分布は、他の樹種とは異なる傾向を示すことが明らかになった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008613605410688
  • NII論文ID
    130008117854
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_476
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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