遺伝子発現からみた病虫害複合被害時のカラマツの生理変化

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • physiologycal change based on gene expression analysis of Japanese larch damaged by disease and pest

抄録

<p>森林病虫害被害の抑制には、被害発生につながる樹木の衰弱機構を明らかにすることが重要である。近年、北海道のカラマツ林では、ならたけ病とカラマツヤツバキクイムシ(以下カラヤツバ)による集団枯損被害が発生している。これまでの研究から、ならたけ病の感染がカラマツを衰弱させ、防御機構が働かなくなった個体にカラヤツバが穿孔している可能性が示されているが、ならたけ病によるカラマツの防御機構への影響やカラヤツバ穿孔へ与える影響はわかっていない。そこで、ならたけ病及びカラヤツバ複合被害個体の葉を対象にRNA-seqによる遺伝子発現解析を行い、ならたけ病及びカラヤツバの被害状況とカラマツの防御機構の関係を調べた。結果、防御応答に関連するとみられる遺伝子の発現パターンに顕著な違いがみられ、カラヤツバ被害木では一部の防御関連遺伝子の発現低下がみられた。また、カラヤツバ被害木のうち、ならたけ病の重度感染個体のほうがより多くの防御関連遺伝子が発現低下していた。このことから、ならたけ病の感染が進むほどカラマツの防御応答が機能しなくなり、カラヤツバの穿孔可能な衰弱と関与していることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008613605430016
  • NII論文ID
    130008118088
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_98
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ