O18-2 運動器疾患を有する通院患者における転倒歴の有無が、身体機能特性および心理的特性に及 ぼす影響について

DOI
  • 藤井 千夏
    医療法人社団 紺整会 船橋整形外科市川クリニック
  • 井所 和康
    医療法人社団 紺整会 船橋整形外科市川クリニック
  • 齋藤 梨央
    医療法人社団 紺整会 船橋整形外科市川クリニック
  • 仲島 佑紀
    医療法人社団 紺整会 船橋整形外科市川クリニック

抄録

<p>【目的】当院では転倒予防を目的とした歩行年齢測定会を行っている。その中で、転倒リスクを臨床で簡便に評価し、定期的に患者へ啓蒙していく必要性を感じる。そこで本研究では測定会参加者における転倒歴の有無による、身体機能特性および心理的特性に及ぼす影響を明らかにすることとした。</p><p>【方法】対象は当院で開催された測定会に参加した計332 名(男性41 例、女性291 例、年齢60-91 歳)とした。アンケート調査より、過去1 年以内の転倒歴の有無で2 群に群分けした。調査項目は体組成(身長、体重、骨格筋量、体脂肪率)、身体機能(握力、片脚立位、2Step Test、立ち上がりテスト、Time Up &Go Test、Functional Reach Test)、心理的機能として日本語版FES-I の計11 項目とした。統計解析は2 標本t 検定およびMann-Whitney U 検定を行い、有意性を認めたものに対し多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を用いてオッズ比を算出した。</p><p>また、ROC 解析よりカットオフ値を算出した(R4.0.2)。有意水準は5%とした。なお対象者にはヘルシンキ宣言に基づいて十分に説明し、同意を得た。</p><p>【結果】転倒歴あり群/なし群において転倒不安感(34±9.1/31±10.3 点、p<0.02)、立ち上がりテスト(31±9.9/</p><p>33.6±11cm、p<0.04)で有意差を認め、各オッズ比、95%信頼区間は、転倒不安感(0.98、0.52-0.65)、立ち上がりテスト(1.02、0.51-0.64)であった。また、ROC 曲線から得られたカットオフ値、感度、特異度、AUC は、転倒不安感</p><p>(32 点、60%、57%、0.58)、立ち上がりテスト(両脚20cm、43%、68%、0.57)であった。</p><p>【考察】転倒歴あり群では転倒不安感と立ち上がりテストが有意に選択されたことにより、転倒後の高齢者に対しては身体機能、心理的機能を包括的に評価する必要が示唆された。また、運動療法を実施する際に、本研究で算出されたカットオフ値を目標とすることで、転倒予防につながるのではないかと考える。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008754690166272
  • NII論文ID
    130008121396
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_97
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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