O16-4 Navicular Drop Test における実測値とX 線値の比較

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抄録

<p>【目的】Navicular Drop Test(NDT)は足部回内の程度を評価する方法であり、高い信頼性が報告されている。一方で舟状骨触診時に軟部組織の肥厚に個人差があることから、実際の舟状骨の高さが反映されていない可能性が考えられる。その為、今回NDT を実測とX 線上の2 つの方法で測定し、それぞれの数値を比較することとした。</p><p>【方法】対象者は足部に重篤な既往のない男女23 名(平均年齢31.6±9.3 歳)とした。NDT の実施のためにX 線撮影台の上に立位を取り、安静立位と立位距骨下関節中間位の2 肢位で舟状骨最下端の高さを計測し、計測間の差を実測NDT 値(実測値)とした。また各肢位を保持した状態でX 線撮影を側方より行い、得られた画像を元にX 線上での2 肢位の舟状骨底の高さを計測し、計測間の差をX 線計測NDT 値(X 線値)とした。実測値とX 線値の比較を対応のあるt 検定を用いて行った。また、得られた実測値とX 線値を元にそれぞれ回内足群(9mm 以上)、正常群(未満9mm)に分類を行った。</p><p>【倫理的配慮】本計測はヘルシンキ宣言に則り行った。また、計測に伴って生じるリスクについて事前に説明をし、口頭による同意を得た。</p><p>【結果】実測値5.09±2.6mm、X 線値5.57±3mm であり、2 群間に有意な差は認められなかった(p=0.45)。各評価方法による分類(回内足群、正常群)は実測値では、3 人、20 人であったのに対し、X 線値では、5 人、18 人であった。</p><p>また3 人の被験者において実測値とX 線値の間に5mm 以上の差が認められた。</p><p>【考察】当初の仮説として軟部組織の厚みの影響で測定間に有意差が出ると予想したが、各測定間に有意差はなかった。今後、各個人間での実測値とX 線値の差異の原因を明らかにするため、皮下組織や舟状骨結節などの解剖学的構造を精査する評価も、必要であると考えられる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008754690168192
  • NII論文ID
    130008121410
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_89
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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