社会的経済地位・認知バイアス・認知的再評価が抑うつに与える影響

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  • How socioeconomic status, cognitive bias, cognitive reappraisal affects depression?

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抄録

<p>目的</p><p>社会経済的地位(SES)は心身の健康と連関する。Shift and Persist strategyモデルでは,低SESでもストレッサーに認知的再評価等の方略を用いれば健康への悪影響を緩衝できるという。一方で,認知バイアスは感情制御に干渉する。しかし,SESと感情制御及び認知バイアスの関連は同時に検討されていない。</p><p>方法</p><p>尺度:主観的SES,認知バイアス(非機能的態度尺度),認知的再評価傾向(感情調節尺度),抑うつ(CES-D)を3ヶ月間隔で測定した。</p><p>分析方法:3ヶ月後の抑うつを目的変数,主観的社会経済的地位・認知バイアス・認知的再評価傾向を説明変数とし,step 1 で統制変数,step 2 で説明変数,step 3 で交互作用項を投入した階層的重回帰分析を行った。</p><p>結果・考察</p><p>step 2 では(R2=.30, ΔR2=.31, p<.01),主観的SES(β=.36, p<.001),認知バイアス(β=.28, p<.001),認知的再評価傾向は有意な回帰係数を示した(β=-.14, p<.001)。step 3 では(R2=.32, ΔR2=.02, p<.05),認知バイアスと認知的再評価傾向の交互作用が有意であった(p<.05)。Shift and Persist strategyモデルは支持されなかった。一方で,認知的再評価は認知バイアスと抑うつの関連を調整する可能性が示された。</p>

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