消防職員の精神的健康と注意機能との関連(5)―神経心理学的指標と心理学的変数による新人消防職員の適応の予測―

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  • The effects of neuropsychological index on mental health among newly recruited firefiters

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抄録

<p>目的:新人消防職員を対象として,神経心理学的指標,およびレジリエンス,ストレッサー,ソーシャル・サポートといった心理学的変数が適応に及ぼす影響を縦断的に検討した。</p><p>方法:対象者はA県消防本部の新人職員102名。10~12ヵ月の期間をあけて同一対象者に3回の質問紙調査と神経心理学的検査が実施された。第一調査は消防学校初任科課程中,第二調査は現場配属後約10ヵ月,第3調査は配属後約2年の時点でそれぞれ実施された。</p><p>結果と考察:第3調査の適応指標(IES-R,K6)を基準変数とし,第1調査で測定された神経心理学的指標とレジリエンス,第2調査で測定された配属後のストレッサーとソーシャル・サポートを説明変数とした重回帰分析を実施した。その結果,K6は,配属前のディジットスパン順向得点と配属後のストレッサーに規定されており,ディジットスパン順向得点が高いほど,また,ストレッサーが低いほど,適応状態が良好であった。IES-Rに対しては,いずれの説明変数も投入されなかった。これらの結果から,消防職員に関して,うつなどの一般的な適応状態に対しては神経心理学的指標による予測が可能であることが示唆された。</p>

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