成人誤信念理解における作業記憶と類推(Ⅰ)―真実の表象抑制と誤信念内容の強化・写像―

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of figural representations in comprehension of false-belief.

抄録

<p>(1)学生に画面で読み聞かせた絵本(民話:虎と干柿)の理解における誤信念理解で,真実を抑制した誤信念内容の受容と作業記憶過程の類推・写像操作を指摘した。(2)絵本の理解技能として,内容の推理・逐語再認,統語,反応抑制,図形での類推及び絵本とは無関係の文に描かれたエピソードの順序想起(長文理解)の他,誤信念課題では通常のサリーアン型2肢選択課題以外に4肢選択課題では,(イ)誤信念課題文の主人公が最初に対象を格納した青色容器,(ロ)その後に別人が無断で対象を移し替えて容器の配置も変えたため,主人公には予期し得ない移動先である赤色容器,(ハ)無効情報の紫容器と(ニ)緑容器の各々を主人公が選択する確率の主観的評定値を得た。(3)主人公と別人の行動について参加者を3等分して上記(ロ)の別人が赤容器または(ハ)紫容器に移し替えた条件または(ホ)別人がどの容器に移したか否かは不明条件の3群別に判別分析と重回帰分析で推理再認成績の規定要因を求めた結果,上記(ホ)群だけはサリーアン課題と抑制が正の説明変数,類推成績と赤容器の選択確率が負を示す。→(ホ)群以外では言語より視空間表象の操作(流動的知能)が顕在化する。</p>

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