Conversions of the depiction type of anthropomorphized animals in narrative picture books

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  • 動物絵本における擬人化動物の描写タイプの転換

Abstract

<p>物語絵本における動物は,しばしば擬人化されて登場し,時には現実的な描写と擬人化描写が混在する。絵本,並びに擬人化動物と子どもに関する先行研究には,定性的な研究が多いことを踏まえ,本研究は,絵本における擬人化動物の描写の特徴を把握することを目的とし,動物が現実的な姿と擬人化を跨って変化する描写法「描写タイプの転換」に着目した。この描写法は,動物と人との境界を浮かび上がらせ,子どもに印象的なシーンを伝えるとして,子どもの発達の観点から分析・考察を行った。調査の結果,描写タイプの転換は,591冊の絵本から1,930件確認された。特にネコ,イヌによる生起が多かった。また,人が登場する絵本では転換が生起しやすく,人が登場しない絵本では転換が生起しづらい特徴が確認された。全体的に,現実的な姿の動物が擬人化になる転換が多く確認された。一時的な転換における主な生起要因は,人あるいは動物らしい行動や感情であった。一方,長期的な転換における主な生起要因は,物語の構成や異世界・空間の移動であった。描写タイプの転換の背景には,動物の社会的なイメージや子どもの発達と深い関連があることが明らかになった。</p>

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