緊急事態宣言により待機中の学生の心身状態の把握およびケア

書誌事項

タイトル別名
  • Psychosomatic symptoms and these care among graduate and undergraduate students under a nationwide state of emergency over coronavirus

この論文をさがす

抄録

<p>COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) 感染拡大抑止のため発令された緊急事態宣言により,多くの人々が長期にわたる自宅待機を余儀なくされている。大学の新学期開校が遅れ自宅待機中の学生においても,その心身の健康状態の把握とケアが喫緊の最重要課題であると考えられる。本研究では,大学生及び大学院生を対象にWeb調査を実施し,学生の心身の健康状態や認知的変化及びそれらに影響を及ぼす要因を分析し,今後の心身のケアについて検討することを目的とした。調査の結果,自宅待機の状況は,多くの学生の日常生活に深刻な影響を与え,生活リズムの変化をもたらしていることが示された。ストレッサーに対する「諦め」といった対処は,「無気力」と有意な中程度の相関があり,「コントロール可能性」に関する項目は,心理的ストレス反応と有意に弱い負の相関が認められた。このことから,今後は生活リズムを整えることへのケアはもちろん,先行きがみえず,諦めることが多い状況の中でも,代替方法を見つける支援,情報提供を行い,現在の状況をコントロール可能なものであると自己評価できるような方向性を有したケアの必要があると考える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ