ペンタブレットを用いた書字動態と発達障害傾向との関連性について

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  • Relationship between handwriting dynamics using pentablets and tendency of developmental disorders.

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抄録

<p>発達障害の特異性が書字形態に反映されることが報告されている。しかし,書字速度や筆圧といった書字動態については十分に検討されていない。そこで,書字動態と発達障害傾向との関連性について検討した。対象は,通常学級に在籍する小児34例(男女各17例,平均12.47歳)と,成人26例(男性15例,女性11例,平均27.29歳)であった。ペンタブレットを用いて,ひらがな単語聴写課題中の書字動態を計測した。また,ASD傾向を測定する質問紙であるAQを用いて発達障害傾向との関連性を検討した。解析の結果,男女の小児において,1文字あたりに要する時間とAQの細部への関心との間に負の相関関係を認めた。また,成人の男性では,筆圧とAQのcommunicationとの間に正の相関関係を認めた。さらに,成人と小児とを比較した発達的変化では,小児で1文字あたりに要する時間が遅延する傾向が認められた。また,ペンの垂直方向の角度は成人に増大が認められ,水平方向の角度は小児に増大が認められた。以上のことから,発達障害傾向が書字動態に反映されること,また,書字動態が発達によって変化することが示唆された。</p>

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