小児期逆境経験と精神的健康の関係―潜在クラス分析を用いた検討―

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  • Relationship between Adverse Childhood Experiences and mental health: Latent class analysis

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<p>本研究では,潜在クラス分析により,小児期逆境経験(ACEs)を測定する尺度の回答者を離散的なクラスに分類し,推定されたクラスにおける精神的健康度の違いについて検討することを目的とした。Lancers社のクラウドソーシングで募集された1729名(男性791名,女性938名)のデータを分析に用いた。調査協力者には10種類のACEsの有無と,精神的健康の指標としての抑うつ・不安症状などを測定する尺度を含んだ質問紙調査を実施した。参加者をACEs尺度への回答パターンに基づいて分類するために,潜在クラス分析を行い,最終的にブートストラップ尤度比検定により6クラスを採用した。性別と年齢を統制変数,得られた6つのクラスを独立変数,抑うつ・不安症状を従属変数とする重回帰分析を行った。その結果,全体の70%以上を占めるACEsの経験がほとんどないクラス1(と比較して,1つ以上のACEsを有する可能性が高い他の全てのクラスでは,抑うつ・不安症状の得点が有意に高かった。本研究から,ACEsを少しでも有する人(クラス2~6)は,全体のACEsをほとんど有しない人よりも精神的に不健康であることが示された。</p>

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