人工文法の顕在学習における正の転移と負の転移

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書誌事項

タイトル別名
  • Positive and negative transfer in explicit learning of artificial grammar
  • Positive and negative transfer in implicit learning of artificial grammar

説明

<p>宮脇(2018)では,人工文法の潜在学習において正・負の転移が生じるか実験したところ,正,負の転移とも確認されなかった。ここから,潜在学習は文脈依存性が高いことが示唆された。本研究では,顕在学習において正・負の転移が生じるか検討した。実験には2種類の相反する人工文法(AとB)を用いた。正の転移条件(P群)においては,先行段階において文法Aを呈示し,後続する転移段階でも引き続き文法Aを呈示した。もし正の転移が生じるなら,転移段階で文法Aの学習がより進むことが予想される。負の転移条件(N群)においては,先行段階において文法Bを呈示し,転移段階では文法Aを呈示した。もし負の転移が生じるなら,転移段階で文法Aを学習しにくくなることが予想される。実験の結果,正の転移が生じたが,負の転移は見られなかった。宮脇(2018)と比較すると,潜在学習では見られなかった正の転移が,顕在学習では生じたことになる。ここから,顕在学習は潜在学習と異なり,文脈依存性が低く,先行学習での経験をより柔軟に後続の事態に生かせることが示唆される。</p>

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