「データ駆動型社会」に対する人々の態度構造―信頼と技術受容のモデルを用いた検討―

書誌事項

タイトル別名
  • Understanding people’s attitudes toward a “data-driven” society based on trust and technology acceptance models

抄録

<p>昨今,IoT技術の発展・普及に伴い,個人の情報はこれまでにない形で収集・管理・利用されている。そのような「データ駆動型社会」における個人情報の利活用に対する人々の賛否は,関与する主体や組織への信頼や,リスク・ベネフィットの認知などにより左右される。本研究では,現在,実際に開発が進められている4つの具体事例(健康モニタリング,スマートオフィス,情報銀行,都市計画)を取り上げ,個々の取り組みへの人々の態度構造を検討した。</p><p>ウェブ調査会社モニタを対象に,4種類のデータ活用事例のうちひとつのシナリオを示し,設問への回答を求めた(n=2,792)。</p><p>構造方程式モデルによる解析の結果,個人情報の収集や管理を担う各エージェント(メーカー,自治体,情報の二次利用者)への信頼が,プライバシーリスクやサービス有用性の認知を介して,サービス受容度を予測することが認められた。また個別の取り組みごとには,リスク認知や有用性認知の影響パターンなどに細かい差異がみられた。新たなデータ利用のあり方が人々に受け入れられる過程を理解する上で,既存の信頼理論やテクノロジー受容のモデルを軸に議論することの有効性を,本結果は示唆している。</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ