好酸球性肺炎治療後に好酸球性蜂窩織炎を生じたアレルギー性鼻炎の1例

  • 久米 裕昭
    晴心会野上病院アレルギー・呼吸器センター 福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科
  • 植松 学
    福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科
  • 冨田 ひかる
    福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科
  • 福原 敦朗
    福島県立医科大学会津医療センター感染症・呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF ALLERGIC RHINITIS WHO HAS DEVELOPED EOSINOPHILIC PNEUMONIA, FOLLOWED BY EOSINOPHILIC CELLULITIS
  • コウサンキュウセイ ハイエン チリョウ ゴ ニ コウサンキュウセイ ホウカシキエン オ ショウジタ アレルギーセイ ビエン ノ 1レイ

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説明

<p>アレルギー性鼻炎の治療歴がある68歳男.原因不明の発熱で入院.抗生剤(セフトリアキソンなど)を投与後に,両側肺野にびまん性のスリガラス状陰影,両側胸水貯留が出現し,急性呼吸不全となった.末梢血好酸球数増多の状態で薬剤性急性好酸球性肺炎が生じたと判断し,メチルプレドニゾロンによるパルス療法を開始した.治療は効果的で,胸部陰影は消失し,急性呼吸不全も改善した.プレドニゾロンを漸減する経過中に,好酸球性肺炎の再燃に続いて左前腕部の皮膚に軽度の掻痒感をともなう境界不明瞭な発赤,腫脹が出現した.皮膚生検では,真皮深層,脂肪組織内に好酸球が著明に浸潤する所見で,血管炎を示す所見はなかった.flame figureは証明されないが,臨床および病理所見から好酸球性蜂窩織炎と判断した.プレドニソロンを増量したところ,皮膚症状は軽減し,ステロイド薬の漸減を進めているが,皮膚症状の増悪はない.この症例は,アトピー体質があり,好酸球性肺炎,好酸球性蜂窩織炎を連続性に生じる稀な経過をたどった.病態の基本にはhypereosinophilic syndromeの存在が疑われる.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 70 (10), 1391-1397, 2021

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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