貝形虫化石群集に基づく新潟県新津丘陵北部域の更新世の古環境変化

  • 山田 桂
    信州大学理学部理学科地球学コース
  • 楠 慧子
    信州大学大学院総合理工学研究科理学専攻理科学分野地球学ユニット
  • 飯田 里菜
    信州大学大学院総合理工学研究科理学専攻理科学分野地球学ユニット
  • 久須美 晨夫
    信州大学大学院総合理工学研究科理学専攻理科学分野地球学ユニット

書誌事項

タイトル別名
  • Paleoenvironmental changes during the Pleistocene in the northern part of the Niitsu Hills, Niigata Prefecture based on fossil ostracod assemblages
  • カイケイムシ カセキ グンシュウ ニ モトズク ニイガタケン ニイツ キュウリョウ ホクブイキ ノ コウシン セイ ノ コ カンキョウ ヘンカ

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抄録

<p>氷期-間氷期が顕著である前期更新世の日本海の古環境変遷は,十分には解明されていない.そこで本研究では,新潟県中部新津丘陵の北部に分布する更新統を調査し,貝形虫化石群集に基づき古環境変化を検討した.調査地域の鹿熊層,皆川層の計57試料から,少なくとも83属211種の貝形虫化石が産出した.貝形虫化石群集のクラスター分析に基づくと古環境は4つに区分され,鹿熊層は主として下部浅海帯~上部漸深海帯,皆川層は上部浅海帯で堆積し,全体として上方へ浅海化したことが明らかになった.また皆川層堆積時には一時的に調査地域南部に内湾が広がったこと,低水温の水塊が調査地域北部の一部地域の下部浅海帯~上部漸深海帯に広がったことが示された.調査地域で見られた長期的な浅海化は,調査地域周辺の広域テクトニクスを反映しており,1.4 Maごろには現在の新潟沖より低水温の水塊が,一時的に下部浅海帯~上部漸深海帯に広がった.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 127 (9), 575-591, 2021-09-15

    一般社団法人 日本地質学会

参考文献 (35)*注記

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