高流量式鼻カニュラ使用下で煮豆の平滑面を吸着して摘出した気道異物の1例

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  • Removal of a Boiled Bean from the Truncus Intermedius by Suctioning the Smooth Surface of the Bean Using a High-flow Nasal Cannula

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抄録

<p>背景.気道異物はしばしば遭遇するが,バリエーションが幅広く,症例ごとに最適な摘出方法を迅速に選択・適用する必要がある.これまで,吸引によって異物を内視鏡先端に吸着させて摘出した症例の詳細な報告はない.症例.左肺結核後遺症を有する91歳の女性.食後の呼吸困難のために救急搬送された.CT検査で中間幹に異物の存在が疑われた.軟性気管支鏡を挿入したところ,中間幹に煮豆を認めた.煮豆は軟らかく,把持鉗子では掴めなかった.そこで,平滑な煮豆表面に内視鏡先端を押し当てたうえで吸引圧をかけて吸着し,内視鏡ごと摘出した.検査中は高流量式鼻カニュラを併用することで低酸素血症を認めなかった.結論.表面平滑で軽量の気道異物に対しては,吸引によって内視鏡先端に吸着させて摘出することも選択肢となる.また,気道異物摘出中に高流量式鼻カニュラを使用することで安全性向上が期待できる.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 43 (6), 658-661, 2021-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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