気管支拡張症に合併し,動脈塞栓術で退縮が得られた気管支静脈瘤の1例

DOI
  • 倉科 健司
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 穂苅 諭
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 月岡 啓輔
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 青木 信将
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 木村 陽介
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 林 正周
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 大嶋 康義
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 渡部 聡
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 小屋 俊之
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
  • 菊地 利明
    新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Bronchial Varices Secondary to Bronchiectasis That Regressed After Transcatheter Arterial Embolization

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抄録

<p>背景.気管支静脈瘤は稀な疾患であり,その治療法は確立されていない.症例.78歳,女性.小児期より気管支拡張症を罹患し,膿胸の既往があった.6年前から喀血を繰り返し,計3回の気管支動脈塞栓術が行われていた.今回,喀血を契機に入院し,止血薬投与を受けたが大量喀血を来したため,気管挿管の上で人工呼吸管理となった.左下横隔動脈と左気管支動脈をゼラチンスポンジで塞栓し,止血を得た.その際の選択的動脈造影で左下横隔動脈と肺静脈との動静脈シャントを認めた.気管支鏡で観察すると,左上下葉支分岐部に気管支静脈瘤がみられ,出血源と考えられた.動脈塞栓術の2週後の気管支鏡では同部位の瘤は退縮していた.その後,再喀血なく自宅退院した.結論.気管支静脈瘤は気管支拡張症や動脈塞栓に関連して発症する可能性があり,喀血時は気管支鏡による確認が必要である.治療として異常シャントの塞栓術が有効と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 43 (6), 589-594, 2021-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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