遅発性横隔膜ヘルニアに対する内視鏡外科手術のpitfallと対応策

  • 岩中 剛
    福岡大学医学部外科学講座呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 白井 剛
    福岡大学医学部外科学講座呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 伊崎 智子
    福岡大学医学部外科学講座呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 廣瀬 龍一郎
    福岡大学医学部外科学講座呼吸器・乳腺内分泌・小児外科
  • 岩﨑 昭憲
    福岡大学医学部外科学講座呼吸器・乳腺内分泌・小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • Pitfalls and Solutions in Endoscopic Surgery for Late-Presenting Congenital Diaphragmatic Hernia
  • チハツセイ オウカクマク ヘルニア ニ タイスル ナイシキョウ ゲカ シュジュツ ノ pitfall ト タイオウサク

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抄録

<p>遅発性横隔膜ヘルニア(以下,本症)に対する内視鏡外科手術について,当院で経験した症例を提示し,手術におけるpitfallと対応策について考察した.腹腔鏡手術では,縫合操作時,特に縫合糸の挿入や体外結紮時の視野確保の不安定性が問題となり,開腹移行した症例や,脾臓や膵体部の脱転・圧排操作が影響したと思われる高アミラーゼ血症を来した症例があった.腹腔鏡手術においては,鉗子で圧排していた臓器が軽度の気腹圧変動で裂孔に押し寄せてくることがあり,確実で安定した複数臓器の圧排法を考慮しておく必要がある.胸腔鏡手術では,拡張した結腸の還納に難渋した症例を経験した.胸腔内に拡張した脱出結腸がある場合は,小腸から還納を開始し,ついで大腸,胃,最後に脾臓の順番で還納することが重要であると考えた.本症に対する内視鏡外科手術では術野の確保が重要であり,脱出腸管の拡張や脱出臓器による操作の妨害の対応策を想定しておく必要がある.</p>

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