冷涼期の伊豆諸島でアシタバから分離された疫病菌の分類学的所属

  • 坂本 彩
    東京都農林総合研究センター 現:東京都島しょ農林水産総合センター八丈事業所
  • 埋橋 志穂美
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構遺伝資源センター
  • 鬼頭 英樹
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構遺伝資源センター
  • 星 秀男
    東京都農林総合研究センター
  • 久保田 まや
    東京都農林総合研究センター
  • 高原 彩
    法政大学生命科学部応用植物科学科
  • 廣岡 裕吏
    法政大学生命科学部応用植物科学科

書誌事項

タイトル別名
  • Taxonomic placement of <i>Phytophthora</i> species isolated from <i>Angelica keiskei</i> in the Izu Islands during the cool season
  • レイリョウキ ノ イズ ショトウ デ アシタバ カラ ブンリ サレタ エキビョウキン ノ ブンルイガクテキ ショゾク

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抄録

<p>伊豆諸島において,高温期に発生するアシタバ疫病の病原菌はPhytophthora nicotianaeであることが確認されている一方で,低温期の本病害に関する知見は少ない.そこで2017年と2018年の2~6月にかけて,伊豆諸島各島より採取したアシタバ疫病菌12菌株においてその分類学的所属を検討した.これら分離菌株はいずれも,健全なアシタバ苗において原病徴と同様の症状を再現し,cox1遺伝子を用いた分子系統解析においてはPhytophthora taxon parsleyおよびPhytophthora sp. hybrid type 1と同一のクレードに属した.うち5菌株は厚壁胞子や不稔の卵胞子を形成するなどPhytophthora sp. hybrid type 1と類似した形態的特徴を示し,またタマネギに対する病原性を示した.以上のことから,本分離株をP. taxon parsleyとP. porri間の交雑種であるPhytophthora sp. hybrid type 1と同定する.本菌群によるアシタバへの病害は国内外で初報告である.</p>

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参考文献 (8)*注記

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