中山間地域の消滅危惧集落における1人暮らし男性後期高齢者を支える心理・社会的要因

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タイトル別名
  • Social and Psychological Factors Supporting Elderly Men Aged 75 Years or Older Living Alone in an Officially Designated Depopulated Area
  • チュウサンカン チイキ ノ ショウメツ キグ シュウラク ニ オケル 1ニン グラシ ダンセイ コウキ コウレイシャ オ ササエル シンリ ・ シャカイテキ ヨウイン

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抄録

本研究は,総務省が指定する過疎地域のうち東北地方,関東地方,四国地方,九州地方,の5町村で暮らす,75歳以上の1人暮らし男性を支えている心理・社会的要因を明らかにすることを目的とした。調査対象者は,自己選択・自己決定が可能でコミュニケーションに障がいのない,1人暮らし男性21人であり,調査方法として半構成的面接を行なった。分析は,内容分析の手法を用いた。分析の結果,1人暮らしを支えている心理的要因は,【生活のなかで見つけた生きがい】,【時間に捉われない気ままな生活】,【根付いた土地での生活】の3つのコアカテゴリーが抽出された。社会的要因は,【子との関係性変化を受容】,【地域コミュニティの絆】の2つのコアカテゴリーが抽出された。<br>  調査地域は,人口減少と高齢化率の上昇によりコミュニティが縮小している。そのため,地域住民で支えあうことは限界があり,社会的に孤立する可能性がある。対象者が身体的衰えを自覚し,老いと向き合わなければならないとき,メンタルヘルスを維持することが,1人暮らしの継続に大きく影響すると考える。本人が望む地域で最期まで暮らし続けるためには,こころのケアができる専門職と行政が連携し,メンタルヘルスを支えるサポート体制の構築の必要性が示唆される。

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