潜在クラス分析によるアンチドーピングに対する競技者と一般人との意識の差

説明

<p>【緒言】ドーピングは法的に使用が禁止され、違反した場合は出場停止などの処置がとられる。しかしながら、ドーピングはなくならないのが現実である。その背景にはアンチドーピングへの様々な意識の違いが考えられる。そこで、本研究は競技者と一般人のアンチドーピングへの意識の違いを潜在クラス分析により検討する。【研究方法】F大学の体育系学部生321名、他学部生100名を対象に、「薬物の力を借りてもオリンピックでは最高のパフォーマンスを観たい」「金メダルを取れるなら寿命を10年縮めてもドーピングをする」など16項目の意見に賛同するか、反対かを問う質問を行った。2件法で得られたデータに潜在クラス分析を2群別々に行い、その潜在的クラス数、各クラスの人数、各項目に占める各クラスの比率を求めた。潜在クラス分析はRのpoLCA関数を用いた。【結果】両群ともに2クラスでのBICが最小となり、2クラスが想定された。また、両群ともクラス1は完全にドーピングを拒否する意識群で、クラス2はやや許容する群であった。体育系学部生は前者が146名、後者が175で、他学部生は前者が54名、後者が46とわずかであるが、体育系学部生の方が許容する者が多かった。「アンフェアなので絶対しない(u=-5.03,正は体育系の賛同が多いことを示す,p<0.01)」「健康を害するので絶対しない(2.83,p<0.01)」「ドーピングをして金メダルをとっても意味がない(-3.07,p<0.01)」「ドーピングをしてもばれない者もいるので検査は意味がない(2.87,p<0.01)」「ドーピング禁止と禁止しない2種類の競技会をつくればよい(2.22,p<0.05)」「健康を害さない程度のドーピングは認めてもよい(2.12,p<0.05)」「治療に使う薬まで禁止にするのはおかしい(2.32,p<0.05)」で両群に有意な比率の差が見られた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009062456463360
  • NII論文ID
    130008137353
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.71.0_373
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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