回転式遮蔽バンド付き分光放射計による放射量計測の不確かさ

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  • Uncertainties in Radiation Measurement Using a Rotating Shadow-Band Spectroradiometer

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抄録

<p> 回転式遮蔽バンド付き分光放射計は、光環境の調査研究にとって強力なツールである。この放射計は、波長毎の全天日射量(spGHI)、直達日射量(spDNI)及び散乱日射量(spDHI)を計測するもので、従来用いられてきた太陽追尾装置を必要としない。ここでspDNIとspDHIは、遮蔽バンドの位置の違いによって、spGHIから分離・推定される。しかしこの計測システムでは、遮蔽バンド使用による散乱日射量の推定誤差が避けられない。EKO製MS-700分光放射計に遮蔽バンドMB-22を装着した場合、通常、この基本的な誤差が2%以下になるバンド傾斜角は最大72°となる。この条件のもと現実的な大気条件を用いてspDNI及びspDHIの推定誤差を定量的に評価し、さらにspDNIから予想される大気の光学的厚さに与える影響を調べた。その際、バンド遮蔽領域に対する光量補正係数Cfwd(観測による近似補正値に対する、シミュレーションによる真の散乱光の比)を用いて相対誤差を評価する。この係数Cfwdは、エアロゾルのタイプやその光学的厚さに依存しており、こうした誤差解析は、計測システムの精度向上に役立つものである。</p>

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 99 (6), 1547-1561, 2021

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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