肝門の癒着が高度なVp4の門脈侵襲を伴う再々発肝細胞癌に対する腫瘍栓摘出の工夫

  • 三原 史規
    国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝胆膵外科
  • 竹村 信行
    国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝胆膵外科
  • 伊藤 橋司
    国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝胆膵外科
  • 國土 典宏
    国立研究開発法人国立国際医療研究センター肝胆膵外科

書誌事項

タイトル別名
  • A contrivance for the portal vein thrombectomy for the recurrent hepatocellular carcinoma, accompanied with severe adhesion at the hepatic hilum
  • 症例報告 肝門の癒着が高度なVp4の門脈侵襲を伴う再々発肝細胞癌に対する腫瘍栓摘出の工夫
  • ショウレイ ホウコク カンモン ノ ユチャク ガ コウド ナ Vp4 ノ モンミャク シンシュウ オ トモナウ サイサイハツ カン サイボウ ガン ニ タイスル シュヨウセン テキシュツ ノ クフウ

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抄録

<p>Vp4の高度な門脈侵襲を伴う肝細胞癌は,予後不良で標準治療は存在せず,切除を含めた様々な治療が,症例に応じて試みられているのが現状である.一方再発肝細胞癌に対する再肝切除,再々肝切除の有効性が報告されているが,切除を繰り返すたびに癒着を来すため,その肝門操作は難しくなる.今回Vp4の門脈侵襲を伴う再々発肝細胞癌に対する腫瘍栓摘出術を経験した.強固な肝門の癒着により門脈の確保に難渋したが,総胆管をいったん切離し門脈本幹から左枝を露出することにより,腫瘍栓を安全に摘出することが可能であった.切離した胆管は端々吻合にて再吻合を行ったが,術後吻合部狭窄を認めたため,内視鏡的ステント留置を行い軽快退院した.術後4か月目に残肝再発が確認されたため,レンバチニブを導入したが術後9か月で原病死した.標準治療のないVp4の再発肝癌に対する手技的選択肢として,本例は貴重な経験と考えられ報告した.</p>

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