発達障害児にとってのI C T機器活用の有効性と可能性について

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Abstract

<p>新学習指導要領は、令和2年度から小学校で、令和3年度から中学校で全面実施となる。その総則において、情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることに配慮することが明記された。また、文部科学省が掲げるG I G Aスクール構想により、児童生徒1人につき1台の端末配布と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たち1人1人に個別最適化され、資質・能力が一層確実にできる教育I C T環境を実現することを目指している。</p><p> しかし、このような構想に対しては、特別な支援を必要とする児童がタブレット端末を使いこなし、有効な手段として適切に使用することができるのかという指摘がなされている。また、そもそも、I C T機器を利用しない従来型の教育においては、児童生徒1人1人の発達状況に応じた個別的対応がとられてきたのであり、I C T機器を利用することによって、それ以上の教育的効果が得られるのかという根本的な問題も存在する。</p><p> その一方で、主要4教科における習熟度が平均値を下回る児童が、プログラミングの学習などのある一場面において、同じクラスの友人らから一目置かれるような才能を発揮した事例にも遭遇した。そこで、特別な支援を必要とする児童にとって、I C T機器を活用することの有効性について実践的に検討していきたい。ここで取り組みたいことは、ICT機器の利活用が、まずはどのような可能性を広げるのか、その全体像を探ることにある。個別最適化、協働化、ギフティドなどの観点を、実践場面で確かめつつ問いの体系化を図ってみたい。</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390009062458221824
  • NII Article ID
    130008137033
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.71.0_112
  • ISSN
    24367257
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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