環境制御型透過電子顕微鏡によるニッケル触媒のメタン雰囲気その場観察

  • 松田 潤子
    九州大学水素エネルギー国際研究センター
  • 山本 知一
    九州大学超顕微解析研究センター
  • 高橋 真司
    戸田工業(株)
  • 佐々木 一成
    九州大学水素エネルギー国際研究センター 九州大学大学院工学研究院
  • 松村 晶
    九州大学超顕微解析研究センター 九州大学大学院工学研究院

書誌事項

タイトル別名
  • <i>In situ</i> Observation of Ni Catalysts under Methane Atmosphere using Environmental Transmission Electron Microscope
  • カンキョウ セイギョガタ トウカ デンシ ケンビキョウ ニ ヨル ニッケル ショクバイ ノ メタン フンイキ ソノ バ カンサツ

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抄録

<p>ニッケル(Ni)は優れた水素解離能を持ち,貴金属に比べて低コストであることから,水素製造など工業化学の様々な分野で広く用いられている触媒である.しかしながら高温で繰り返し酸化・還元雰囲気に曝されると凝集したり,一酸化炭素や炭化水素系ガス中で作動する際には反応により生成した炭素が触媒表面に析出したりし,触媒能が低下することが問題となる.本研究では炭素がNi触媒表面に析出する過程に着目し,環境制御型透過電子顕微鏡(ETEM)を用いて,メタン雰囲気でNi/MgO・Al2O3触媒を加熱しながらその場観察を行った.その結果,300°C付近からNi粒子に炭素が固溶することで,その結晶構造が面心立方(fcc)から六方最密構造(hcp)に変化することを明らかにした.Ni粒子への炭素析出は粒子全体がhcpに変化した後から顕著に見られるようになり,Ni内にいったん固溶した炭素が固溶限を超えると表面に析出することが推測された.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 56 (3), 100-104, 2021-12-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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