河川が引き起こす振動記録を用いた流量予測に向けての検討

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タイトル別名
  • Toward prediction of river discharge using the ambient noise record excited by a streamflow

抄録

<p>河川の上流域は急峻な地形のため一般に流量を観測しにくいが、一方で、下流域における水位や氾濫の危険性を予測するためには、上流域での流量観測が極めて重要である。近年、山地を含めた日本全国で高密度かつ高感度の地震観測が行われるようになり、その情報は連続かつリアルタイムで公開されるようになった。地震計は地震のみならず、河川の流れが引き起こす振動も捉えることができる。本研究では、河川振動を捉えた地震計記録を用いて流量を間接的に推定できる可能性を検証するため、関川流域のHi-net地震観測点および流量観測点の記録を用いた検証を行った。検証の結果、関川から約500m離れた地震観測点でも、流量の変動に伴う振動パワーの変化を明瞭に捉えられることが分かった。特に振動を強く励起する周波数帯域は2-16Hz以上であった。ただしこの帯域では、人口が多く社会活動が高い場所では社会活動を起源とする振動が強く、流量が少ないときにはこれらの振動に埋もれる傾向があり、結果として、社会活動が少ない上流域ほど明瞭に河川振動を捉えられることが分かった。これは上流域ほど流量観測の需要が高い事情にとっては好都合といえる。なお、振動パワーは流量の1乗から2乗に比例し、河川の水位(流量の約0.5乗に比例)よりも流量変化に敏感な指標であることが分かった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390009084483615488
  • NII論文ID
    130008138044
  • DOI
    10.11520/jshwr.34.0_374
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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