トク・シモムラの「日記」 : アメリカ合衆国市民への道

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書誌事項

タイトル別名
  • Toku Shimomura's Diaries : From Immigrant to Citizen : One Japanese Picture Bride's Path to US Citizenship
  • トク ・ シモムラ ノ 「 ニッキ 」 : アメリカ ガッシュウコク シミン エ ノ ミチ

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抄録

本論は,日系移民一世トク・シモムラ(1888–1968)の日本語手書き「日記」(一部を除いて未刊行の一次資料)を解読し,彼女の国家帰属意識の変化とその背景を探る試みである。トク・シモムラは,1912年「写真花嫁」としてシアトルに渡ったが,出生国が日本であったために,1952年「移民国籍法」制定まで,アメリカ市民権獲得の権利を奪われていた。彼女は長年シアトルで働き暮らしながら国籍は日本という,言わば2国に引き裂かれた状態で,1941年12月,日米戦争に巻きこまれ,日系人強制収容所での過酷な生活を強いられた。しかし,その理不尽な境遇の中,彼女のアメリカ合衆国市民意識が強くなっていった。本論では,従来ほとんど論じられなかった第二次世界大戦が始まった1939年の「日記」に焦点をあて,次に「戦中日記」での変化を論じたい。

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