米価下落期における米産直産地の課題 : 新潟県A 農協と関東B生協の事例

書誌事項

タイトル別名
  • The problems of rice producing areas in the period of falling prices : a study of the sanchoku system between agricultural Co-op A and consumers Co-op B
  • ベイカ ゲラクキ ニ オケル ベイ サンチョク サンチ ノ カダイ : ニイガタケン A ノウキョウ ト カントウ B セイキョウ ノ ジレイ

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説明

本事例は,B 生協のモデル産直として発展して来たが,米価下落のもとで大きな転機にたたされている。米価下落による販売金額の伸び悩みの打開策として,販売部門の多様化と米の高付加価値化を進めつつも,いまだ販売力強化の決定打が見い出せていない。その背景として,高付加価値米の生産担い手が比較的小規模農家層にも多いことによる生産力向上や品質向上への対応の困難性が指摘できる。そのため地道な取組みが求められる。 具体的には,第一に,米産地のあり方として,米販売価格を引き上げる産地マーケティングの強化と個別農家販売の推進方法の模索である。第二に,そのために部会として,技術・販売の交流やリーダー層の育成が求められる。第三に,機械などの共同利用や雇用労働力の適切な配置などを組織的に進めることで構造改善のスピードアップをはかることである。第四に,販売ルートとして,生協依存度を下げながら多様な生協・取引先の開拓の中で産地個性を引き出す努力が求められる。第五に,生協産直のあり方として経済事業を支える組織的活動を標準化することである。標準化に際し,有機農業運動における参加型有機認定注6)の仕組みは生産者と消費者の共通理解を深めるツールとして参考になると思われる。

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