<論文>白蛇伝映画における女の表象 : 日本文化圏での開花

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タイトル別名
  • <Article>The Representation of the Female in Japanese White Snake Films
  • 白蛇伝映画における女の表象 : 日本文化圏での開花
  • シロヘビデン エイガ ニ オケル オンナ ノ ヒョウショウ : ニホン ブンカケン デ ノ カイカ

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抄録

妖魔や動物が人間に変身して、人間と交わる異類婚姻譚は、世界のどの地域にも見られる。ゼウスが白鳥に変身してレダと交わるギリシア神話では、変身するのは男であるが、アジア文化圏では女が変身する民間伝説が多い。本論文では、中国の四大民間伝説のひとつである「白蛇伝」を例にとって、白蛇伝の「映画化作品」に着眼し、スクリーンの上での「白蛇伝」の変遷が概観できるような「白蛇伝映画史」を構築することをめざす。「白蛇伝映画」はこれまで本格的な研究対象として取り上げられたことがない。中国の民話「白蛇伝」は民間伝承の話であるが、1624年に馮夢龍によって「白娘子永鎮雷峰塔」というタイトルで文字として定着された。このテクストがすべての白蛇伝映画の原作となっているが、日本の白蛇伝映画にはもうひとつの原作が存在する。それは林房雄の小説『白夫人の妖術』であり、そこでは白蛇は塔に鎮められはしない。二つの原作に拠りながら、日本の白蛇伝映画における女(白蛇)の表象を分析し、そこに反映されたジェンダー観を明らかにしたい。そのさい、中国の白蛇伝映画を引用し、白蛇の表象の違いにも言及したい。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 7 47-62, 2015-03-02

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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