<論文>ニッチトップ型中小企業の地方移転と国内・海外事業展開 : 株式会社 協立製作所の事例分析

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タイトル別名
  • <Article>Transfer to a Local City and Business Development of a Japanese Niche Top Small and Medium Sized Enterprise in Domestic and Overseas Areas : A Case Study of Kyoritsu Seisakusho Co., Ltd.
  • ニッチトップ型中小企業の地方移転と国内・海外事業展開 : 株式会社 協立製作所の事例分析
  • ニッチトップガタ チュウショウ キギョウ ノ チホウ イテン ト コクナイ ・ カイガイ ジギョウ テンカイ : カブシキ ガイシャ キョウリツセイサクジョ ノ ジレイ ブンセキ

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抄録

本論文は、地域経済の再生あるいは産業の空洞化を回避する一翼を担うことが期待されるニッチトップ型中小企業の国内および海外における事業展開について経営史的に検討することを目的とする。特に本論文では、日本を代表する企業城下町として発展してきた日立の周辺地域(筑西市)に移転し、その後同地を拠点として活動する協立製作所を事例として取り上げる。その分析により、[ 1 ]1970年代初頭に東京から地方への工場移転を契機として、油圧部品の一貫加工体制を整備することで同社発展の基盤を形成したこと、[ 2 ] 1990年代以降、油圧機器のメインスプール市場においてニッチトップの座を獲得し、ニッチトップ型中小企業へと転身するとともに、[ 3 ]油圧部品の加工のみならず、製品の組立を新たに手がけることで事業の多角化と取引関係の拡大をはかり、それまでの一社専属的な事業展開からの転換を実現したこと、[ 4 ]同じ時期に中国(上海)に現地工場を設立することで、日本国内における生産拡張の制約を克服するとともに、現地での新たな取引関係を形成したこと、[ 5 ]以上の展開により、同社は、バブル崩壊以降の外部環境の変化に適応しただけでなく、それ以前より高い企業成長を実現するに至ったことを明らかにした。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 12 23-44, 2020

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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