日本語と中国語の「不・無・非・未」
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本稿では日本語と中国語の否定の造語要素「不・無・非・未」について、それぞれの造語形態から概観した上、「不・無・非・未」の下接語(「不・無・非・未」に後接する二字漢語)と結合語(「不・無・非・未」と結合した後の三字漢語)の品詞転換機能について考察した。日本語と中国語の結合前後の品詞転換機能として、「不N」の場合については日本語・中国語ともに結合前後で品詞転換機能がみられるが、「不A」の場合については日本語・中国語ともに品詞転換機能がみられない。また、「不V」の場合については、日本語には「V→A」の品詞転換がみられるが、中国語においては結合前後で品詞転換がみられない。「無N」•「無V」の場合については、日本語と中国語のいずれも結合前後で品詞転換を生じ、「無A」の場合については、日本語には品詞転換機能がなく、中国語では「無A」の結合形態がみられない。「非N」•「非V」•「非A」の結合形態は、日本語では3種すべてみられるが、中国語では「非N」と「非A」の形態が存在する。また、日本語において「非V」のときには、「V→A」の品詞転換機能がみられる。「未N」•「未A」の形態は日本語・中国語ともにみられない。一方で「未V」の形態は日本語・中国語ともに存在し、そこでは「V→A」の品詞転換がみられる。
収録刊行物
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- 名古屋大学人文科学研究
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名古屋大学人文科学研究 41 33-43, 2012-03
名古屋大学大学院文学研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390009224656052864
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- NII論文ID
- 120005672344
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- HANDLE
- 2237/23260
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- ISSN
- 09109803
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可