スズメPasser montanus saturatus(スズメ目・ハタオリドリ科)および数種の鳥類の現代建築物と構造物利用の習性 : 鳥類の人為環境における棲息II

書誌事項

タイトル別名
  • スズメ Passer montanus saturatus スズメモク ハタオ
  • Nest-Builbing Behavior of The Tree Sparrow,Passer,montanus saturatus,The White Wagtail,Motacilla alba lugens,and The Great Tit,Parus major monor,in The Buildings and The Constructions : On The Birds in Association with Human Habitations II. (in Japanese with English summary)

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抄録

1. スズメPasser montanus saturatus STEJNEGER 1885 (スズメ目・ハタオリドリ科),ハクセキレイMotacilla alba lugens (セキレイ科, およびシジュウカラParus major monor(シジュウカラ科)の, コンクリート建築物と構造物, 鋼材構造物における営巣行動について,1990年から94年8月にかけて, おもに宮城県内と岩手県内において調査し, 考察した。 2. スズメは, 木造モルタル構造の民家やビルにある隙間を見いだして, 営巣・繁殖している。この行動は,農村地帯のビルや,新たな事業所の屋外施設・構造物に対しても認められる。 3. スズメは, 高速自動車道の壁面の排水口, サービスエリアの給油所, インターチェンジの料金収受所, 橋梁の鋼材橋桁などにも営巣行動を行っている。また植栽された木立は, ねぐらの対象となっている。 4. これらの事例から, スズメは人間社会における新規の建造物・構造物に積極的に対応し,営巣行動を行なう習性を持っていると考えられる。そして営巣行動の対象としているのは,屋根に相当する構造があり, 底面がほぼ平らな箇所のある隙間である。 5. この営巣場所選択の習性は, モーターの振動や騒音よりも優先していると考えられる。 6. 同様なビルの隙間に営巣するハクセキレイは, 古巣の巣材を運び出して捨てる行動を行なうことがある。 7. シジュウカラは, 屋根に相当する構造のないポールの中にも営巣する習性をもっている。

収録刊行物

  • Artes liberales

    Artes liberales 55 235-248, 1994-12-15

    岩手大学人文社会科学部

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