ケアに関する倫理的考察 : 共感と共感疲労の観点から

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  • ケア ニ カンスル リンリテキ コウサツ : キョウカン ト キョウカン ヒロウ ノ カンテン カラ
  • Compassion and Compassion Fatigue in Care : An Ethical Reflection

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抄録

従来,ケアに対する考えかたは,「気づかい」「世話」「思いやり」など好意的側面が多く,マイナス要因に目を瞑っているように思われる。昨今の介護殺人,介護難民,老老介護は「ケア」におけるドメスティックな問題に止まらず,大きな社会問題となっている。最近ではマスメディアで「無縁社会」として大きく取り上げられている。筆者は「家庭介護」における介助者の視点の観点からケアを考えることで,ケアを外部化せざるを得ない問題点を着地 点とした。また,この危機的状況を乗り越えるために,1つの問題点と6つの打開策を定義した。 本論は「ケア」の倫理的側面の再認識,共感と傾聴の現実,社会学及び看護学の「感情労働」,臨床心理学の「共感疲労」の思考形式を学際的に捉え,介護において有効性がある定義を提案することにより,介護の現実問題を打破する倫理的試みをした。そして今日の日本社会の闇に一石を投じることで問題を浮き彫りにすることが本論の狙いである。

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