<論説>清末西江の「海賊」 : 「緝捕権」問題と貿易・航運 (特集 : 海)

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タイトル別名
  • <Articles>"Pirates" on the West River during the Late Qing Period : Trade, Shipping and the Dispute over "The Right of Patrol" (Special Issue : SEA)
  • 清末西江の「海賊」 : 「緝捕権」問題と貿易・航運
  • セイマツ ニシコウ ノ 「 カイゾク 」 : 「 シュウホケン 」 モンダイ ト ボウエキ ・ コウウン

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抄録

西江の外国船貿易への開放の結果、海賊事件に小型の外国船が巻き込まれることになり、海賊問題がイギリスなどの諸外国に認識されるようになった。こうした中で発生した西南号事件はイギリス人が犠牲となったため、イギリス側は賠償金を要求するとともに、中国の主権を侵害しない形で海関の外国人に巡視を監督させようとした。一方、両広総督はその両方に反対し、イギリスが西江の軍艦を増強して圧力をかけたのに対し、イギリス側の主権侵害という形で理解した広州の紳商らの反発が強まる中、海関に監督の意思がないこともあり、双方が妥協、西南号事件の賠償金支払いによりイギリス艦隊が撤収して問題は解決した。結果的に広東省当局は外国人や海関の関与を排除することに成功し、西江においては中国人が商業を掌握、イギリス船籍は減少した。そのために外国船・外国人の被害は減少したが、それは外国のみならず清朝側の「海賊問題」への関心低下を招いた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 100 (1), 106-140, 2017-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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