量子色力学類似有効理論に於けるカラー超伝導体の熱力学

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  • Thermodynamics of Color Superconductor in a QCD-like Effective Theory
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抄録

クォークとグルオンの物理系は、低温・低密度では、カイラル対称性の破れたハドロン相と なっているが、高温、若しくは高密度では、カイラル対称性が回復し、クォーク・グルオン・ プラズマ相(QGP)  あるいは、カラー超伝導相などとなる。  今回われわれは、有限温度および密度に於いて、2フレーバーカラー超伝導体(2SC) の熱力学を 量子色力学類似有効理論を用いて調べた。中等度のクォーク密度領域に於いて2¢T =0 =3:43kBTc p=pF という結果を得た(¢:ギャップエネルギー, pF :フェルミ運動量、kB:ボルツマン定数, Tc:臨界温 度)。この値は、通常の電子系の超伝導での結果(2Δ = 3:52kBTc) と略同じである。クォーク・ クーパー対の波動関数は規格化定数を別にすれば、温度に依存せず、対のコヒーレンス長は、 臨界温度まで略一定であることが判明した。 一方、エネルギーギャップは、温度の上昇と共 に減少し、臨界温度で零となる。従って、2SC からQGP への2 次相転移は、クォーク・クー パー対の空間構造の不変性と対の減少によって特徴付けられることが判った。

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